スプリットネタバレ

この映画は、ネタバレを知らないで観た方が間違いなく面白いので、Mナイトシャマラン監督のファンならこんな感想文は読まないで劇場に行った方が良いです。

ただ、Mナイトシャマラン監督の作品を未見orそれほど好きじゃない人は、全然観なくて良い気がします。

もし興味のある方は、過去の監督作のオマージュなどがあるので、全部を観る必要はありませんが苦笑、初期の3作品シックスセンスアンブレイカブル、サインあたりをチェックしてから足を運ぶと、より楽しめると思いますYO!m9)

スプリット

原題Split

2017アメリカ上映時間117分

監督製作脚本Mナイトシャマラン

製作ジェイソンブラム

出演ジェームズマカボイ、アニヤテイラージョイ、ベティバックリー、ジェシカスーラ、ヘイリールーリチャードソン、ブルースウィリス

パンフレット720円コラム2本と解説1本。デザインも良い感じ

あらすじ

見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。男には23もの人格があり、9歳の少年やエレガントな女性など、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ。以上、映画comより

予告編はこんな感じ

70点

この映画の感想に関しては、カゲヒナタさんのブログがいろいろと充実しているので、チェックすると良いんじゃないかしらん。

今回の感想は、グラップラー刃牙やフィルスのネタバレに触れているので、知りたくない人は気をつけて!

二重人格の元祖はジキル博士とハイド氏なんでしょうけど、あれは人間には裏表がある的な話じゃないですか、確か。今みたいな多重人格解離性同一性障害設定が流行るようになったのは、やっぱり24人のビリーミリガンの影響でしょうか。昔、月9のドラマあなただけ見えないで三上博史さんが3つの人格を持つキャラを演じて話題になりましたけど、検索してみたら、24人のビリーミリガンとちょうど同じぐらいの時期だったんだなぁってのはどうでも良いですかね。僕的には、解離性同一性障害の人がいるというのを信じないワケじゃないし、フィクションの題材になったりするのは好きだけど、さすがにガイアみたいな人は実在しないんじゃないかと思ってるってのもどうでも良いですかね。

衛生兵のノムラが泣き始めたかと思ったらグラップラー刃牙より。

コイツがなんとガイアだったからビックリ!最近はすっかり人格が統合されたみたいですな。

なんとなく板垣恵介先生が描いたビリーミリガンも貼っておきますね。

で、本作の話ですよ。劇場でボンヤリと予告編を眺めた時は、あら、今度のシャマラン監督作は多重人格モノなのねと。僕はいわゆるシャマラーシャマラニアンシャマラニストおシャマさんなどと呼ばれるほどのファンではないけれど、監督の前作ィジットが超ストライクだったし、ジェームズマカォイ多重人格で連想されるクズ刑事映画の名作フィルスも大好物だったので、結構観たくなりまして。ちょうど愛聴しているラジオ番組ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル略称タマフルの映画時評コーナームービーウォッチメンの課題映画になったこともあって、火曜日の会員サービスデーを利用して、TOHOシネマズ新宿で鑑賞しようとしたところ!仕事のせいでチケットをムダにしましてね遠い目。木曜日、悔し涙を流しながらポイントを使って、同劇場で無料鑑賞してきました。あまり良い映画じゃないな()って思ったり。

11番スクリーン、ほぼ満席でしたよ。

話を身も蓋もなく書いておくと、幼いころに虐待されたせいで23人の人格を宿すケィンの人格の1つデニスが24番目の最強の人格ビーストを誕生させるために、3人の女子高生aka穢れた魂をモリモリ食べようと拉致!デニスを止めようとする他の人格からメールをもらった主治医のフレッチャー先生が怪しんだり、女子高生たちもそれぞれ逃げようと努力してみたりするものの、結局、フレッチャー先生女子高生2人は死んじゃいまして。最後に残った1人は被虐待児だったので、お前はセーフ!m9)と許されるも、超人ビーストと化したケィンは逃げてしまい、そのニュースをハゲのオッサンアンブレイカブルの主人公ダン!が意味深に眺めてエンドクレジットに突入。最後にアンブレイカブルのダンvsスプリットのケィンを描く続編グラスが2019年に公開されます的なテロップが出て、映画は終わってましたよ。

いろいろあって、ケィンは鉄格子を曲げられるほどの身体能力を発揮できる超人ビーストになりまして。

ラストは、アンブレイカブルの主人公ダンを演じたブルースウィリスが出てくるのです。

ちなみにグラスとはアンブレイカブルに登場したサミュエルLジャクソンのことでございます。

まぁ、アンブレイカブルを観ていた人なら誰もが気付いたと思うんですが、アンブレイカブルがスーパーヒーローの誕生譚だったように、本作はスーパーィランの誕生譚だったんですよね。予告編で壁を登るシーンを観てたから、ビーストになるんだろうとは思っていたけど、まさか本作とアンブレイカブルがクロスオーバーするなんてまったく予想していなかっただけにカゲヒナタさんのブログによるとアンブレイカブルの要素がいろいろと組み込まれていたそうな、スゲー驚いたし、自分自分が作った世界観が本当に好きなんだなぁ()と笑っちゃいました。まぁ、基本的に好きな映画ではあるのです。

ケィンがビーストとなって、壁を登るシーン。

シコルスキーを思い出したバキ読者は多いのではないでしょうかバキより。

ただ、アンブレイカブルとのクロスオーバーを抜きで考えると、ごめんなさい、映画としてそんなに面白くなければ意外性もなかったというか。ここ数年の誘拐監禁モノで先が読めなかったなぁと思い出すのはアリスクリードの失踪あたりですけど小説では乙一先生のSEVENROOMSが好き、本作は登場人物たちの行動や話の展開が結構想定内どころか、グダグダに見える部分が多かったんですよね。ラストで救出された女子高生が黒人の女性警官を見つめる今回の事件を機に、叔父に虐待されていたことを告発しようとするみたいなムードは好きだし、とにかくブルースウィリスにはビックリしたけどさ、よくよく考えるとクロスオーバーのためだけの映画というか。

この子だけ虐待されてた穢れてない!って助かってたけど、それもなんだかなー。

確かにジェームズマカォイの多重人格演技9人分や精神科医とのやり取りとかは良かったけどさ、映画全体を振り返ると、ミスリードするための要素みたいなのがあざとい気もするし、演出も冗長に感じるところが多かったし、ィジットに続いて病気の人の扱い方が乱暴に感じるし。最後、監禁されていたのは動物園の地下でした!(o-)bなんてドヤ顔で見せてたのも、彼女たちの行方を探す側のシーンがないから結構どうでも良かったなぁと動物ネタを話してたのが伏線?なんですかね。あと、そもそも15年以上前に公開された映画を観てない人には何が何やらという部分がスゲー酷いと思うところもあって。さっきは好意的に書いたものの、ハッキリ言って、自分自分が作った世界観が本当に好きなんだな()って感じたりもするという複雑な男心。

内緒だよなんて言いながら、まだ未公開の国があるのに自らネタバレツイートを投下したシャマラン監督。

何者の二階堂ふみさんならこんな言葉を投げかけそうな気がします勝手なコラージュ。

そんなワケで、スゲー笑ったし、クロスオーバーに関してはシャマランだからできたスゴいことだと感心しましたが超楽しみではあるし、これを知らないで観てつまんね()って罵る人を1ミリも責められない映画だなぁとも思いました。ちなみに、尊敬する映画評論家の町山智浩さんのツイートがネタバレだなんだと物議を醸したみたいですが僕はネタバレだとは思うけど仕方ないから自分で護身しようよ派、今夜のムービーウォッチメン宇多丸師匠がどこまで踏み込んで話すのか、非常に楽しみでございます。おしまい。

デジタル盤のサントラがありました。

Mナイトシャマラン監督作で一番好きなのはこれです。僕の感想はこんな感じ。

本作の前編にあたるMナイトシャマラン監督作。彼の監督作の中では2番目に好きなのです。

ジェームズマカォイ多重人格で連想したクズ刑事映画。僕の感想はこんな感じ。

有名なダニエルキイスのノンフィクション。グラップラー刃牙のおかげですっかり読んだ気分になってました。